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その1026「習慣の力とカジノの恐ろしさ」

最近、習慣の力という本を読んでいる。
習慣の力 The Power of Habit
チャールズ・デュヒッグ
講談社
売り上げランキング: 17,769

不健康な肥満体、離婚したばかりで無職の女性が、エジプト旅行をきっかけにここにもう一度来ると決めて、ジョギングを始めて30キロ痩せて大学の修士課程に行き禁煙も達成した。
家庭環境などから問題行動ばかり起こしていて青年が、スターバックスでピンチの時どうするかという研修を徹底的に受け、2店舗を任される店長として成功した。
ファブリーズは消臭で売ろうと思ったらまったく売れなかったが、家事に疲れた母親が掃除の仕上げに良い匂いをさせてリフレッシュする習慣によって大ヒットになった。

などの、きっかけ→報酬→習慣という仕組みを解説した本がありまして、
爪を噛む癖も、勉強をしない態度も、イラクの暴動もきっかけや報酬を変える事でおさえる事が出来るという事を実例をいっぱい出して説明している。

巻末には仕事中にどうしてもカフェに行ってチョコチップクッキーを食べてしまう。という習慣が止められず、太ってきて奥さんに怒られている。という著者もその習慣を分析して直した。
というワークもある一冊。

しかしまぁその手法を商売に応用する手段。というのが怖い。何の分野でも世界最先端なアメリカさん怖すぎる。

妊娠中の女性を買い物パターンから分析して、妊娠した女子高生の父親が気が付く前にマタニティ用品のクーポンを送りつけたり、
戦争中の肉不足をなんとかするために内臓肉をキドニーパイやレバーパテとして食べさせることに成功したアメリカ政府とか
色々あるのだけど、とにかく怖いのがカジノ。

カジノの依存症になった主婦が、自己破産してしまい、その後100万ドル(一億2千万)の遺産が入ったらカジノ側が悲しんでいる話をずっと聞いてくれて(どれくらいの金を落としてくれるかのリサーチ)、送り迎えにリムジンを用意してラウンジに案内してくれて、ホテルのスイートルームやコンサートの最前列の席も用意してくれる。

遺産がどんどんなくなるのに勧誘電話がじゃんじゃんかかってきて、お金が無いというと「信用枠を用意する」と言ってきて借金漬けにするまでしゃぶりつくされる。結局家も失ったうえに39万ドル(4千万円)を請求されて、カジノ側の勧誘がやりすぎだと逆告訴したけど負けた。という話がありまして

うわー怖い。パチンコどころじゃない怖さですわー。
「自発的排除プログラム」というのがあってこのリストに名前を載せるとカジノで活動できなくなるというシステムはあるそうですけど、「パブロフの犬マーケティング」というのに引っかかったらお金持ちもひとたまりも無い感じがいたしますよ。

日本のカジノ法案って本当に大丈夫なのか気になりますわー。
大体アジアなんかのカジノは本国人はできないようになっていたり、韓国は海外へのお金の持ち出しに制限があり、海外のカジノで大負けすると犯罪になったりする法律があります。(結構芸能人が罰せられて話題になったりします)

女性の不満で、綺麗な服を買っても着ていく華やかな所が無い。というのがあるのだけれど、それにカジノというのはぴったりだとは思うのですが、その高級感は頭の良いアメリカ人の策略って事で、競艇みたいに灰色のおじさんがたむろしてるギャンブル場の方が社会として健全なのかもしれないなぁ
by karamo01 | 2015-06-11 11:12