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野外のマダニ 注意して

2013年02月21日 | 山の情報
野外のマダニ 注意して
野外のマダニで広がる新しい感染症で、広島県の成人男性の死亡が確認された。
4人目の死者となり、ほかに疑い例も9件寄せられている。
これからマダニが活動期になる春を迎える。
ウイルスにはどんな特徴があり、何に気をつけたらいいのだろうか。

国内の死亡例 4件判明
「発熱や血小板の減少といった症状は日常的に診ている。下血は必ずある症状なのか」

広島県は19日夜、県内で重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による死者が初めて確認されたのを受け、県庁内で保健所担当者、医師らを集めた会議を開いた。
参加した医師からマダニによって広がる新感染症の国への報告基準について戸惑う声もあがった。

亡くなった男性のじゅじいが県内の保健所に電話を入れたのは今月1日。
厚生労働省が情報提供を呼びかけた2日後だった。
県健康対策課の担当者は「西日本で見つかっているので、県内で確認されるのは時間の問題と思っていた」と話す。

これまで厚生労働省には、西日本だけでなく、東日本も含めた医療機関や保健所から問い合わせが約30件寄せられている。
検査待ちの検体が9例あるという。

この感染症は2009年に中国での集団発生が報告され、11年にウイルスが特定された。
国内で初めて確認されたのは先月末。
昨秋亡くなった山口県の女性で、主治医が血液検査を国立感染症研究所に頼んだのがきっかけになった。

これを受け厚労省が疑わしい例の情報提供を求めたことで保存されていた血液など検体が寄せられ感染が判明。
13日には愛媛、宮崎両県で昨秋に死亡した成人男性が感染していたことが分かった。

いずれも発熱など症状が現れてから1週間から約半月で死亡し、原因は特定されていなかった。
直近の海外渡航歴はないという。
厚労省や4件の担当者は、年齢や直前の行動など詳しい情報について「遺族が特定されるのを心配している」(田村憲久厚労相)として明らかにしていない。

マダニは全国に分布し感染実態が明らかにならないことから不安は広がる。
静岡県内の保健所にも地元の女性から「農作業に出るのにどんな格好をしたらよいのか」と問い合わせがあったという。

感染経路 調査これから
感染すると、6日~2週間の潜伏期の後、発熱や下痢、腹痛などの症状が出る。
血小板や白血球の減少が起きることもある。
中国では、山東省、河南省など7省から200人以上の感染者が出て、致死率は12%と報告された。
ワクチンや治療薬はなく、熱や出血などへの対症療法が中心だ。

ウイルスをもつダニは、家屋にいるイエダニではなく、草原などにいるマダニ類だ。
中国の流行地域でもウイルスをもっていたダニは5.4%と報告された。
患者の97%は山間部に住む農作業の関係者だった。

ダニ以外からの感染経路はあるのか。
国立感染症研究所の西條政幸ウイルス第一部長によると、中国では患者を介護する際、血液に触れた家族が感染した例も報告された。

ダニの生態に詳しい馬原アカリ医学研究所(徳島県)の藤田博己所長によると、中国では蚊などの昆虫からウイルスは検出されず、感染の可能性は低いとみられる。
ただ、ウイルスを持った哺乳動物の血液に素手で触れるなどして感染することはあり得るという。

国内での感染経路ははっきりしない。
患者4人にダニにかまれた痕は見つかっていない。
政府は19日、来月から診断した医師に保健所への届け出を義務づけたばかりだ。
国内のダニなどの調査もこれからだ。
ただ、国内で見つかったウイルスの遺伝子の特徴はほぼ一致しているが、中国とは違い、日本国内に以前からいた可能性が高いという。

西條さんは「突然、危険なウイルスが出現したわけではないだろう。患者が急増するようなことはあり得ないと思う」と話す。

「気を付けることは?」
なるべく肌覆う
症状出たら受診

マダニは野山だけでなく、日本全国の生活圏に近い草原や河川敷などにも普通にいる。
春から秋にかけて活動的になる。

馬原アカリ医学研究所の藤田さんによると、人が外でかまれるほかにも、ペットの犬や猫にマダニがくっついて家に持ち込まれ、そこから人がかまれる可能性もあるという。

ただし、マダニは乾燥に弱く、室内では数日で死んでしまう。
家の庭などにいつくこともあるため、「庭作業などでは、なるべく肌の露出を避けた方がいい」と藤田さんは話す。

マダニは体の様々な場所にかみつき、数日から1週間ほど血を吸い続ける。
イエダニと違い、かまれてもかゆみや痛みなどは感じず、気付きにくい。
ただ、成長は数ミリだが、血を吸い終えると1センチ近くに膨れ上がり、見て気付きやすくなる。

かまれていることに気付いたら、きれいにとってもらうためにも、皮膚科などを受信したほうがいいという。
野山などで活動して、原因不明の発熱、下痢などが出て心配ならば、内科などを受診するか、保健所などに相談すればいいそうだ。

ダニやその仲間が媒介する感染症には、日本紅斑熱やツツガムシ病などもあるが、これらは抗菌薬で治療できる。

国立感染症研究所の西條さんは「マダニにかまれても必ず感染するわけではない。ほかの病気の可能性もあるのでしっかり様子をみてほしい」という。

<上記は、2013年F2月20日付け、朝日新聞朝刊より転載>


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